中国で進む大気汚染の影響

熊本県で光化学スモッグ発生

 2007年4月、熊本県天草市河浦町と天草郡苓北町で、光化学スモッグ注意報が発表されました。河浦町では27日午後3時05分、苓北町では午後3時15分。注意報はその日の夜には解除されました。工業コンビナートなどは無縁の、熊本での光化学スモッグの注意報は、昨年に続き2回目となりました。
  
 高度成長期の日本では、光化学スモッグは工業コンビナート地帯で、風が弱く、日差しが厳しい夏の日に多く発生するものでした。その光化学スモッグが、緑豊かな、空気のきれいな熊本で発生するのはなぜでしょうか?
 
 実は熊本で発生した光化学スモッグは、黄砂を運んでくる偏西風にのって、中国からやってきたのです。
 
 中国では、近年の高度成長に伴い、石炭火力発電所が大量に稼働し、自動車も多く走るようになってきています。この中国で発生した窒素酸化物が西風に乗って、東シナ海を越え、日本にまでやってきて、熊本での光化学スモッグを発生させたのです。
 


発生源の一つは、中国

いったん沈静化したはずの光化学スモッグが、再び増えているのはなぜでしょうか。
 
その発生源の一つは中国です。経済成長著しい中国では、かつての日本と同様、NOxやVOCが急増し、大きな社会的問題となっています。明年開催される北京オリンピックでも、屋外競技について選手の健康状態を危惧する声が多いのが現状です。
 
そのような状況の中、オゾン濃度も急上昇していて、西風が吹きやすい春や秋には、その汚染が日本列島に運ばれるのです。
 
今のところ、中国はこうした越境汚染を認めておらず、対策は困難です。ただし、責任は中国だけにあるともいえません。
 
そもそも中国にたくさんの工場を建て、そこで作られる商品を輸入しているのは、日本をはじめとする先進各国です。私たちは被害者でもあり、加害者でもあるという意識でこの問題に望まない限り、説得は難しいでしょう。