スポンサードリンク
何かが違う・・・全国的に広がるここ数年の光化学スモッグ
1970年代に猛威を振るい、注目された光化学スモッグ。そのころは、主に工業地帯などの大気汚染が問題になる大都市やその周辺地域で発生するのが常でした。
1980年代以降には様々な対策のおかげで沈静化していましたが、にわかにここ数年、大都市に限らず、約半分近くの都道府県で、光化学スモッグ警報が発令され、全国的に発生地域が広がっています。
特に、夏前後に発生する光化学スモッグ。的確に対処ができるよう、ひととおりの知識を学んでおきましょう。
また、光化学スモッグに関する最新情報も、できるだけ紹介していきます。
新 着 情 報
光化学スモッグに警戒 県が注意報訓練
中国の大気汚染問題が深刻化し、オリンピックの開催にも影響しかねない状況にあります。今年あたらい、また熊本県でも光化学スモッグ注意報発令の懸念が出ているようです。熊本県のみなさんは、光化学スモッグに慣れていないので、よく情報を集めて、対処していただきたいと思います。
(熊本日日新聞より引用)
光化学スモッグの原因となる光化学オキシダント濃度が、県内で二月以降、注意報発令が相次いだ昨年より高い水準で推移している。光化学オキシダントは中国大陸から風に乗り入り込んできている疑いが指摘されている。県は「いつ発令となっても不思議はない」と警戒を強め、十一日には注意報の発令訓練を実施した。
熊本県で光化学スモッグ発生
2007年4月、熊本県天草市河浦町と天草郡苓北町で、光化学スモッグ注意報が発表されました。河浦町では27日午後3時05分、苓北町では午後3時15分。注意報はその日の夜には解除されました。工業コンビナートなどは無縁の、熊本での光化学スモッグの注意報は、昨年に続き2回目となりました。
高度成長期の日本では、光化学スモッグは工業コンビナート地帯で、風が弱く、日差しが厳しい夏の日に多く発生するものでした。その光化学スモッグが、緑豊かな、空気のきれいな熊本で発生するのはなぜでしょうか?
実は熊本で発生した光化学スモッグは、黄砂を運んでくる偏西風にのって、中国からやってきたのです。
中国では、近年の高度成長に伴い、石炭火力発電所が大量に稼働し、自動車も多く走るようになってきています。この中国で発生した窒素酸化物が西風に乗って、東シナ海を越え、日本にまでやってきて、熊本での光化学スモッグを発生させたのです。
二酸化硫黄(SO2)
【環境基準】
1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値0.1ppm以下であること。
【人および環境に及ぼす影響】
石油、石炭等を燃焼したときに含まれる硫黄(S)が酸化されて発生するもので、呼吸器に影響を及ぼし、四日市喘息などのいわゆる公害病の原因物質です。また、森林や湖沼などに影響を与える酸性雨の原因物質でもあります。
一酸化炭素(CO)
【環境基準】
1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下であること。
【人および環境に及ぼす影響】
炭素化合物の不完全燃焼などにより発生し、血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を運搬する機能を阻害するなどの悪影響を及ぼします。また、温室効果ガスである大気中のメタンの寿命を長くすることが知られています。
浮遊粒子状物質(SPM)
【環境基準】
1時間値の1日平均値が、1立方メートルあたり0.10mg以下であり、かつ1時間値が、1立方メートルあたり0.20mg以下であること。
【人および環境に及ぼす影響】
大気中に長時間浮遊している煤塵(ばいじん)、粉塵(ふんじん)などを、浮遊粉塵といいます。煤塵とは、ものの燃焼によって生じた煤(すす)などの固体粒子を総称したものです。浮遊粉塵のうち、10μm以下の粒子状物質のことを浮遊粒子状物質といい、ボイラーや自動車の排出ガスなどから発生するもので、大気中に長時間滞留し、肺や気管などに沈着して呼吸器に影響を及ぼします。
二酸化窒素(NO2)
【環境基準】
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
【人および環境に及ぼす影響】
窒素酸化物は、ものの燃焼や化学反応によって生じる窒素と酸素の化合物で、主に一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)の形で大気中に存在します。
発生源は、工場、事業所、自動車、家庭等、多種多様です。発生源からは、大部分が一酸化窒素(NO)として排出されますが、大気中で酸化されて二酸化窒素(NO2)になります。
呼吸器に影響を及ぼすほか、酸性雨及び光化学オキシダントの原因物質となります。
光化学オキシダント(OX)
【環境基準】
1時間値が0.06ppm以下であること。
【人および環境に及ぼす影響】
工場や自動車から排出される、大気中の窒素酸化物や炭化水素が、太陽の紫外線を受けて化学反応を起こし発生する汚染物質で、いわゆる光化学スモッグの原因となります。粘膜への刺激、呼吸器への影響を及ぼすほか、農作物など植物への影響も観察されています。
日差しが強く、気温が高く、風が弱い日に濃度が高くなりやすく、注意が必要です。
大塚駅近くの巣鴨高校 1971年10月30日
高校2年生の男子生徒がマラソンの練習中に脳貧血を起こしました。その2週間後、その間は特に異常はなかったのですが、月末のマラソン大会に出場できるかどうか、念のために医師の診察を受けました。
しかし、診察を受けてみると、痛くて硬度の増している肝臓が、肋骨弓の下に4センチも顔を出し、さらに、右手と右足に知覚障害があり、右大腿の裏側には、圧痛のある太い坐骨神経幹が確認されました。幸いなことに脳波には、異常は認められませんでした。
1ヶ月後の再診では、肝臓は縮小し、手足の知覚障害は少し残っていたものの、坐骨神経の圧痛はなくなっていました。
この男子生徒は、体育の授業で、マラソンの練習中、胸が痛くなり、目の前がかすみ、暑いのに汗が出ず、無理して走っていたら、目の前が紫色になり、何がなんだかわからなくなって気を失ったと、手記の中で述べています。
また、その日の帰宅中、胸の痛みと激しい咳があり、他にも気分が悪くなった友人が2人いた、と述べています。
国立市の体育短大および高校 1971年7月30日
19歳の女子短大生と、16歳の女子高校生が、運動を行なった後に眼と喉の刺激性の症状を訴え、手足のしびれ、痙攣、呼吸障害、意識障害などの症状を併発して入院しました。
入院後の検査では、呼吸促進、意識混濁、ふるえ、助産婦肢位、共同運動障害があり、また手足の末端に手袋状・靴下状の末梢性知覚神経障害の症候が認められました。
この知覚障害は、入院後数日間続き、血液の酸素・炭酸ガス分圧はともに低下、呼吸性アルカロージスの状態にありました。脳波にも、異常が認められました。
2人ともアレルギー体質で、19歳の女子短大生は、帰省後も発作を反復したことがあるそうです。
杉並区の都立桜水商業高校 1970年8月8日
11時頃、合宿中の水泳部員の中から、泳ぎ終わってすぐ気分が悪いという生徒が3名出ました。
そのうち一人は、プールサイドで休んでいるうちに、手足のしびれと硬直の症状が現われましたが、幸い13時ころから症状が軽くなりました。
もう一人は、手足のしびれと胃痙攣の症状が現われ、加えて呼吸困難を併発し始めましたが、しばらくするとおさまりました。しかし、夕方になっても、回復がはかばかしくなく、21時ころ救急車で病院に運ばれ、入院しました。入院時は、上肢のしびれ、全身の硬直、全身の脱力感などの症状がありました。
3人目の生徒は、プールサイドで休んでいると、上肢の硬直が始まり、下肢にもしびれと硬直が現われました。その後、症状は少し軽くなりましたが、回復が遅く、21時頃、口の渇き、上肢のしびれと脱力感、全身の硬直などの症状が現われ入院。その後間もなく全身けいれんの発作を起こしています。
また、夕方6時頃から、新たに3名の生徒に症状が現われました。
一人は泳ぎ終わった後、顔面が硬直し、手足がしびれ、意識が朦朧とし、一旦は症状が軽くなりましたが、間もなく手足が硬直、意識がなくなり入院。口渇、握力低下、断続的な呼吸困難を起こしています。
もう一人は、手足のしびれと硬直、呼吸困難を訴え、しばらくすると治まりましたが、19時ころに再び手足の硬直がはじまり入院しました。
3人目の生徒も、気分が悪く、だるさと脱力感があったのですが、倒れた生徒を部屋に運んだあと、熱感と手足の痺れを訴えて倒れました。10分ほどでその症状は次第に軽くなったようです。